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Story


昌和莫大小 OLENO HADASHI(はだし靴下) のストーリー
     『この大地を感じろ、呼び覚ませ、俺の中のニンゲンを』



OLENO HADASHIシリーズは靴下である。
ただし、普通の靴下ではない。

靴を履かない靴下である。

そもそも、「靴下」というのだから、「靴」を履かないなら「靴下じゃない」ではないか!
そんな指摘は置いといて。


「はだし靴下」の開発は、最初からスポーツギアとして開発がスタートしたものではない。
子供たちの健全な発育促進や健康を願い開発がスタートしたものである。

人類は多くの進化を経て今の繁栄に至る。
樹上生活だった類人猿が太古の大地に降り立ち、二足歩行を開始する。
この時から足の裏は大地を踏みしめ、直立二足歩行を手に入れ、
それにより脳を垂直方向に支えることができるようになり、
大きな脳を獲得するに至り、ニンゲンとなった、という。

大きな脳は、思考力・知性、さらには想像力を獲得し、
人間が人間である証明、高度な「道具」を手に入れた。
人間が生み出したそれら道具のなかに「靴」がある。
足の裏を保護するための草履のようなものから始まったであろう靴は、
今やハイテクノロジーを駆使し、
スニーカーはより長く、より早く走るためのスポーツギアとして進化し、
その他の靴もファッションや安全性などの多くの機能を手に入れた。

しかし、その靴の進化により、人は本来備わっていた筋力やバランス力、足裏センサー機能が衰えているのではないか、という。
「はだしだからこそ」得られるものを失いつつあるというのだ。

昌和莫大小の「はだし靴下」は、「裸足だからこそ」得られることは子供の健全な発育や健康に寄与するのではないか?という発想から始まっている。
実際に、奈良県や大学の協力を得て、奈良県内の小学校で試作品のテストも実施している。

ここで「裸足で走ること」と「靴を履いて走ること」の違いの話をしておかなければならない。
2018年、マラソンで2度の日本新記録が樹立された。
その際に大きく話題になったのは「フォアフット着地」である。
フォアフットとは足の裏の前の方のことである。つまり、「前のほうで着地する」ことである。
アスリートでなければ「ヒールストライク」という「かかと着地」となる走法が普通であろう。
この「かかと着地」は靴のヒール部分のクッションがあってこその走法である。
つまり、「かかと着地」は靴を履いて走るからこそできる走法なのである。
裸足でこの走法を行うと、地面からの衝撃をもろに食らうため、実は危険である。
したがって、裸足で走るとなると、衝撃をかかと着地よりも和らげることができる「フォアフット着地」になるのだ。

小学校でのテストでは、最初にフォアフット着地の走法のレクチャーを行い、
楽しみながら子供たちに理解してもらって、実際に運動場に出て走ってみてもらう。
はだし靴下で走るために走り方や身体の動かし方が変わる。
それにより、多くの子供がシューズよりも早く走ったという驚きの結果も得た。




屋外で地面に直接触れるのであるから、
耐久性が大きな課題となった。
いわゆる「強い糸」を選んで、編み方も変えてテストを繰り返した。
その「強い糸」として多くの素材から選ばれたのが東洋紡の高強力ポリエチレン繊維『イザナス』だった。
この「スーパー繊維」はJIS規格摩耗強度テストの一般的な基準値である1000回を大きく上回る74万回以上に耐える素材である。
そして、昌和莫大小の真骨頂、「編み」の技術が加わることで、
「はだし靴下」は完成に至る。

ここまでは「HADASHI KIDS」のお話。

「HADASHI STANDARD/ROAD」は「HADASHI KIDS」を生み出した後、
子供だけではなく、大人にも足の本来の力を、との想いから生まれる。

子供にとって人間本来の走る姿勢を取り戻させることができるのなら、
大人にだってあてはまるに違いない。
こうして強靭な繊維・編みは当然のこと、「KIDS」の技術から生み出された「STANDARD」、
足裏にシリコンラバーを施すことでより強靭さを増し、アスリートユースのスポーツギアとして誕生した「ROAD」
たちがラインナップされていく。

ラバーのない「STANDARD」はフォアフット着地の初心者用として、
ラバーを施した「ROAD」はフォアフット着地での走行をよりハードに行える装備として
裸足の感覚で大地を掴み、蹴り、進む。

もしこの「HADASHI」を手に入れたら、
いや、足を入れたら、
まずは芝生を見つけて、まず歩いて、そして走ってほしい。
靴を履いていては気が付かなかったことを発見することになる。
大地は意外と柔らかいということに。
そして、アスファルトの上を少し歩いてみてほしい。
(走るのは、もうちょっと慣れてから)
靴を履いていては気が付かなかったことを発見することになる。
大地は意外と、いや、非常に固いことに。

そして、気付いてもらいたい。
足の指や足の裏に今まで考えもしなかった刺激が加わっていることに。
足の裏から、一番遠い脳が刺激を楽しんでいることに。
その心地よい刺激をぜひ楽しんでもらいたい。

もちろん、スポーツギアとして使ってもらうのは大歓迎であるが、
単に「裸足で遊んで」もらいたい。
鬼ごっこでも、縄跳びでも、ままごとだって。

人間は本来裸足だったのだ。
本来我々は裸足で遊んでいたのだ。
本来の姿で遊んで、楽しくないわけがないのだ。

「OLENO HADASHI」を履いて、この大地を感じろ。
そして本来の俺、そう、「俺のニンゲン」を呼び覚ませ!
そして、「ニンゲンである俺」を楽しもうではないか!


商品開発部能丸部長の笑顔。工場の機械たちをバックに。


開発者井上克昭社長インタビュー動画 ←こちらをクリック  ※別サイト(You Tube)です。

「OLENO」というブランドネーム
 この「OLENO」というブランド名は、
 もともと先代社長が「俺の」として商標を取得したものである。
 この「俺の」を現社長井上克昭氏が「OLENO」として復活させたのである。
 「OLENO」にはロゴが二つ存在する。
 「OLENO」と表記したエンブレムとしてのロゴと、
 黒いマルに4本の長い線と1本の短い線のシンボルマーク。
 このシンボルマーク、親指を立てた、拳を模している。
 そして、その立てた親指は自分に向けられる。
 そう、まさに『「俺の」のポーズ』をシンプルに、そして見事に表現したものである。
 このロゴデザインの遊び心が、
 子供が裸足で遊ぶ姿を真面目に考える基礎となったのは言うまでもない。



『靴下の町』奈良県広陵町
 昌和莫大小は奈良県広陵町に所在する。
 奈良県は国内生産の靴下の4割を製造するという知られざる靴下の名産地である。
 その奈良の中でも出色の生産地が広陵町なのだ。
 広陵町は良質な大和木綿の産地であった。
 糸へん産業が盛んになる基盤があり、
 そこへ明治末に広陵町の吉井泰治郎が手回し編み立て機を導入した工場を作って
 靴下生産を開始したのが始まりだとされる。
 いまでは安価な外国製品が市場に多く並ぶが、
 靴下の町としての誇りは、高い品質、OLENOのような新しい価値の創出がそれを証明している。

(参考:広陵町商工会HP:http://www.koryonet.or.jp/kutusita/kutusita.htm)